はじめに
この記事は 第2のドワンゴ Advent Calendar 2018 の6日目の記事です。
去年の第2のドワンゴ Advent Calendar 2017 では、RTL設計スタイルガイドのアンチパターンをやってみた という記事を書きました。
今週末に電気工事士試験があるということを思い出したので、今回はその試験勉強も兼ねて、電気工事についてのアンチパターンである欠陥工事を実際にやってみます。
電気工事士
電気工事士とは [Wikipediaより: 電気工事士]
電気工事士(でんきこうじし)は、第一種電気工事士と第二種電気工事士とがある。それぞれ自家用電気工作物または一般用電気工作物の工事に関する専門的な知識と技能を有するものに都道府県知事により与えられる資格である。 電気工事士法の定めにより、原則として電気工事士の免状を受けているものでない限り、一般用電気工作物および500kW未満の自家用電気工作物の工事に従事することはできない
私は昨年の冬に第二種電気工事士の試験を受け、筆記合格・実技不合格でした。 今年の夏は筆記免除で実技のみ受験し、またもや不合格でした。 どちらも凡ミスで、とくに二度目の受験ではかなりバカバカしい間違いをしてしまったのでとても悔しく、今回こそは受かりたいところです。
ところで、私のミスはどのように採点されて不合格に至ったのでしょうか。
実は、電気工事士の試験では "欠陥の判断基準" が公開されています。
欠陥の判断基準等について | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
今回は、この欠陥の基準をしっかりと覚えるために、欠陥工事を実際にやってみようと思います。
以下では、欠陥の判断基準の記述に従い、順番に欠陥工事を行っていきます。
配線図については、公開されている候補問題の第二種電気工事士技能試験用のものから、No.8を例として使用します。
この問題は、私が二度目に受験した平成30年度上期に私の受験会場で出題された問題です。
複線図の正解例はあげていませんが、赤い矢印で示した部分が間違っているところです。
すでに練習に使用してしまい新しい部品を用意できなかったもの(金属管工事のねじ切る部分など)は割愛しています。
また、第二種電気工事士では取り扱わないもの(押しボタン、より線、ボンド線など)については扱いません。
欠陥工事をやってみた
未完成のもの
せやな。
配線,器具の配置が配線図と異なるもの
二度目の試験、これをやってしまいました。
両方とも丸い記号なのが悪い!
電線編
寸法が配線図に示された寸法の50%以下のもの
作りにくかった・・・
電線は基本150mm~350mmで、それぞれの50%増減までOKらしいです。
電線の種類が配線図と異なるもの
せやな。
接続方法が施工条件と異なるもの
二度目の試験中に一瞬間違えかけました。リングスリーブは足りなくなったらもらえるけど電線切って短くなるのがつらい・・・
電線の色別、配線器具の極性が施工条件と異なるもの
接地側が白ってなかなか慣れない。
ケーブル外装を損傷したもの
ケーブルを折り曲げたときに絶縁被覆が露出するもの
外装縦われが20mm以上のもの
VVR・CVVの介在物が抜けたもの
そうはなかなかならんやろ。 と思ったけどたぶん私がケーブルストリッパしか使っていないからかもしれない。 電工ナイフで作業すると色んな所に傷をつけてしまいそう。
絶縁被覆の損傷で電線を折り曲げたときに心線が露出するもの
感電しちゃう
心線を折り曲げたときに心線が折れる程度の傷があるもの
ここまで来たら折れて気づくと思うの。
接続編
リングスリーブの選択を誤ったもの
2.0mm 1本と1.6mm 2本の場合はリングスリーブ小に小のマークが正解。
圧着マークが不適正のもの
1.6mm 2本の場合は○のマーク
リングスリーブを破損したもの
1, 2回圧着しただけだとなかなかならないよな。
リングスリーブの圧着マークの一部が欠けたもの
これはたぶん引っ張ったら抜けてしまう。
1箇所の接続に2個以上のリングスリーブを使用したもの
そうは・・・ならんやろ?
リングスリーブを上から目視して、接続する心線の先端が一本でも見えないもの
ケーブル採寸をミスって短くなりすぎたらあり得るかも。
リングスリーブの上端から心線が5mm以上露出したもの
切りましょう。
絶縁被覆のむき過ぎで、リングスリーブの下端から心線が10mm以上露出したもの
押し込みましょう。
その他の圧着の欠陥
1つのリングスリーブに2つ以上の圧着マークがあるもの
間違ったときに焦って2つ付ける前にやり直そう。
ケーブル外装のはぎ取り不足で、絶縁被覆が20mm以下のもの
短いと圧着しにくいし長さは50%まで短くなっても大丈夫なので、全体が短いときは外装を多めに剥ぎ取ったほうがよさそう。
絶縁被覆の上から圧着したもの
1本だけとかやってしまいそう。
コネクタの挿入
先端部分を真横から目視して心線が見えないもの(右)
下端部分を真横から目視して心線が見えるもの(左)
コネクタ用に心線の長さを切りそろえるのは苦手。目安の線はあるけどそううまくもいかない。
端子編
結線部分の絶縁被覆をむき過ぎたもの
基本的に5mm以内にするべし。
絶縁被覆を締め付けたもの
絶縁皮膜を20mm剥いておけば大丈夫。
ランプレセプタクル又は露出形コンセントへの結線
ケーブルを台座のケーブル引込口を通さずに結線したもの
ケーブル外装が台座の中に入っていないもの
急いで作業して完成してから気づくと悲惨かも。
巻き付けによる結線部分の処理が適切でないもの
心線の巻き付けが不足、又は重ね巻きしたもの
心線を左巻きにしたもの
心線がねじの端から5mm以上はみ出したもの、カバーが締まらないもの
左巻きは要注意。
心線が差込口から2mm以上露出したものただし、引掛シーリングローゼットにあっては、1mm以上露出したもの
これも目安の線があるけど調節は難しい。
引掛シーリングローゼットへの結線で、絶縁被覆が台座の下端から5mm以上露出したもの
引掛シーリングは条件が厳しめ。
表に見える部分だからか・・・?
その他編
管とボックスとの接続部分を目視して隙間があるもの
揺さぶってもカタカタ鳴らない程度に締めよう。
取付枠を裏返しにして、配線器具を取り付けたもの
そもそも裏返しにしたら取り付けられなかった・・・
取付枠に配線器具の位置を誤って取り付けたもの
1つは真ん中、2つは両端。
ゴムブッシングの使用が適切でないもの
ごちゃごちゃいじってるとずれてしまいそう。
ゴムブッシングを使用していないもの
電線の作業を始める前に取り付けるのが安全。
ボックスの穴の径とゴムブッシングの大きさが異なるもの
これも最初に付けてしまえば大丈夫かな。
おわりに
細かい基準がたくさんあり全て試すのは一苦労でしたが、実際にやってみると確かにこれでは欠陥だよな、という感覚がわかってきてよかったです。
今度こそ合格できるように気を抜かずがんばります!
今のところ欠陥工事しか練習していないのでは・・・?
と思ったのでNo.8練習の様子を載せておきます。